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【おにぎりと彼女たちのルーティン】

これは暮らしの物語。
とある彼女たち、
とある彼とその猫。
おにぎりをこしらえるルーティンが共通点の
年齢も性別も職業も異なる4人の日々。
たわいもない日常にも
月の満ち欠けのような波はあり、
誰だって少しずつの不調と好調を繰り返しているもの。
それぞれが暮らしの中であみだした
こころのお手当て方法がきゅっと詰まった連作短編。
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第1話:うめぼしおにぎりの彼女

朝起きたらまず、白湯を一杯飲むことにしている。 お湯を沸かしてマグカップに注ぎ、息を吹きかけ頃合いを見計らってからずずずとすすり飲む。そのあたたかな水流は心地良いシャワーとなって、私の内臓を優しく駆け巡ってゆく。 二人暮らしから一人暮らしに戻って間もないこの部屋の片隅で、私...

第2話:ツナマヨおにぎりの彼女

朝起きたら、まず鏡を確認する。 日によって顔のむくみ具合が変わるからだ。今のところ攻略方法は見い出せていない。休みの日には割とすっきりしているのに、仕事のある日はほぼほぼむくんでいる。ただでさえふっくらとしたほっぺたに上瞼のふくらみが合わさって、顔の大きさは1.5倍に助長さ...

第3話:おかかおにぎりの彼女

カーテンの隙間から狙いを定めたように、両まぶた目がけて朝陽が射しこんでくる。 これは一緒に暮らしている彼が仕掛けたもの。寝起きの悪いわたしへのさりげない配慮であるらしい。たしかに効果は絶大だ。ちょうど顔のあたりだけに降り注ぐ新鮮な陽光を拝受すると、体は自動的に大きな伸びの体...

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おにぎりとかのじょたちのルーティン_1P.png
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